お仏壇を安置するのに、北向きはよくないという話を聞いたことはありませんか?
お仏壇を安置する際の向きに関しては諸説あります。
①南面北座説
宮廷を守る武士のことを『北面の武士』と呼ぶように、昔から位の高い人は南を向いてきたに座り、従者は北に向かって南に座るというしきたりがありました。それにならい、仏様やご先祖様をお祀りするお仏壇も北座に置くのがよいと考えられたのです。
また、日本の気候風土から考えても、直射日光があたらず、湿気の少ない北座はお仏壇を設置する最適な環境と言えます。
②西方浄土説
仏教の理想世界である西方浄土、つまり西向きに零敗するよう、お仏壇を東に安置するというものです。
この考えは古くからの浄土教の寺院の伽藍配置がモデルになっているといわれています。
③本山中心説
お仏壇の前で礼拝する方向に、その家の宗派の本山があるという考え。
本山とその意の位置関係で安置する方角は変わってきます。
このように、お仏壇を安置する向きに関して、これでなくてはいけないという明確なルールはありません。
また、お仏壇を安置する場所も仏間や床の間など和室でなければいけないということはありません。
お仏壇を家族の心のよりどころとして、生活の中で生かすには、家族みんなが顔を合わせる団らんの場所に設置することが大切です。
※ただし、台所にあまりに近い場所に設置することは、避けたほうがいいでしょう。
水や油でお仏壇が痛みやすくなってしまいます。