■宗教によって異なる、弔事用の金包の表書き
表書きは本来、包に趣旨が何であるかを示すために書いたものです。
現在は、水引より上に『御香典』などの口上を書き、下に差出人の名前を書きます。
これは贈るときの礼儀としてあいさつの口上を表現したものです。
表書きは宗教によって異なります。
【仏教の場合】
故人に手向ける香の変わりに持参するものであるため、霊の前にささげる『御霊前』、仏の前に供える『御仏前』、香を供える『御香典』となります。
【神式の場合】
香のかわりに玉串を霊前に供えます。したがって、その玉串や榊の代金として『御玉串料』『御榊料』あるいは『御神前』などと書きます。
こうした神式用の紙包みは、あまり市販されていないので仏教と同じ弔事用の金包みを用いてください。
【無宗教の場合】
『御花料』か『御霊前』が適当です。ただし、『御霊前』は葬儀の場合のみに使用され、法事などには使いません。
【真宗の場合】
葬儀にも『御霊前』は使用せず、『御香典』とします。
また、『御霊前』と印刷されている市販の紙包みでも、袋に『蓮の花』の模様が付いたものは仏教のみにしか使用できませんので注意が必要です。
■仏事別『水引と表書き』の一例
お渡しする方別に、それぞれの仏事ごとの『水引と表書き』をご紹介いたします。
こちらで紹介するものは、一般的な例となります。
ご宗派や地方によって多少異なる場合がございますので、詳細はお寺様または当店にお尋ねください。
【お寺様への御礼】
●ご葬儀の場合
銀の水引を使用。
表書きは『御布施』。
別にお膳代・お車代を包む場合は白無地の封筒で。
●ご法事を営まれる場合
黒白の水引を、忌明け後は黄白の水引を使用。
表書きは『御布施』。
別にお膳代・お車代を包む場合は白無地の封筒で。
●戒名・法名を授与された時の御礼の場合
赤白の水引を使用。
表書きは『戒名御礼』。
表書きは『法名料』『位戒料』『戒名料』でもよい。
●新しくお仏壇を開扉する際の御礼の場合
赤白の水引を使用。
表書きは『開扉供養御礼』。
表書きは『入仏慶讃御礼』『御移徒御礼』『入魂料』でもよい。
●新しくお仏像に開眼・入仏・入魂する際の御礼の場合
赤白の水引を使用。
表書きは『開眼供養御礼』。
●新しく石塔に入魂する際の御礼の場合
赤白の水引を使用。
表書きは『石塔建立御礼』。
●仏事に関してお寺様にお世話になった時の御礼の場合
赤白の水引を使用。
表書きは『御本尊前』。
表書きは『御宝前』でもよい。
●ご法事やお盆・お彼岸に墓前で読経していただいた御礼の場合
黄白の水引を使用。
表書きは『御布施』。
●御家のお仏像修理のために一時、魂を抜いてもらう御礼の場合
赤白の水引を使用。
表書きは『撥遺御礼』。
●御家のお仏像・お仏壇修理のため、一時的に場所が移り変わるので、読経していただいた御礼の場合
赤白の水引を使用。
表書きは『御移送御礼』。
●お寺様の落慶やご住職が変った時などのお祝い事の場合
赤白の水引を使用。
表書きは『御本尊前』。
表書きは『御宝前』でもよい。
【ご葬儀・ご法事以外の宗派別お包みの仕方】
●仏式の場合
黒白の水引を使用。
表書きは『御霊前』。
表書きは『御香典』『御香料』でもよい。
※真宗では『御仏前』と表書きします。
●キリスト教の場合
表書きは『献花料』。
表書きは旧教・新教ともに同じ。
●神式の場合
銀の水引を使用。
表書きは『御玉串料』。
表書きは『御榊料』『御神前』『御花料』でもよい
【ご法事に訪問される場合】
●忌明け(四十九日)までのご法事の場合
黒白の水引を使用。
表書きは『御霊前』。
表書きは『御供料』でもよい。
※真宗では『御仏前』と表書きします。
●忌明け(四十九日)後のご法事の場合
黄白の水引を使用。
表書きは『御仏前』。
表書きは『御供料』でもよい。
●五十回忌・百回忌などの『弔い上げ』となるご法事の場合
赤白の水引を使用。
表書きは『御仏前』。
【仏事に招かれた場合】
●新しくお仏壇を購入された御家に御祝をする場合
赤白の水引を使用。
表書きは『開扉御祝』。
表書きは『入仏御祝』でもよい。
※最近にご不幸の有無をご確認ください。
●新しくお仏像に入魂・開眼・入仏をする御家に御祝をする場合
赤白の水引を使用。
表書きは『開眼御祝』。
●新しく石塔を建立された御家に御祝をする場合
赤白の水引を使用。
表書きは『石塔建立御祝』。
【お客様へのお返しの掛け紙】
●忌明け(四十九日)のご法事の引出物につける場合
黄白の水引を使用。
表書きは『満中陰志』。
表書きは『忌明け』『志』でもよい。
●忌明け(四十九日)のご法事の供え物・配り物につける場合
黄白か青白の水引を使用。
表書きは『茶の子』。
表書きは『志』でもよい。
●忌明け(四十九日)後に行うご法事の引出物につける場合
黄白の水引を使用。
表書きは『●回忌 粗供養』。