位牌(本位牌)とは、亡くなられた方の霊を宿す象徴としてお仏壇に祀る、死者の戒名や法名を記した木牌のことです。
中国の儒教の儀式で、死者の官位や姓名を書いた位版や神主といわれる霊碑を用いお祀りするという習慣がありました。
この習慣を、鎌倉時代に儒教の影響を受けた禅宗が座禅や茶とともに日本に持ち帰り、江戸時代には祖先崇拝の象徴として一般に普及しました。
お位牌(本位牌)は亡くなられた方を象徴する大切なものです。
数十年はお祀りするものだからこそ、デザインもさることながら造りもしっかりしたものを選びたいものです。
大切な人への想いや祈りの心をお位牌という形にして、日々手をあわせてください。

位牌(本位牌)の購入時期について
葬儀に用いた白木の位牌は四十九日までの仮の位牌です。
四十九日法要の際、お寺で本位牌に魂入れをお願いし、故人の魂が入った位牌へとなります。
お文字入れに2週間程度かかるので、お亡くなりから1か月以内には手配をしましょう。


位牌を生前に作ることは縁起が悪い?
生前にお位牌を作ることは縁起が悪いのではと思われがちですが、そうではありません。
最愛の連れ合いを亡くした方が『夫婦で同じお位牌に入りたい』と想われる方も多いのではないでしょうか?
亡くなられた方の戒名を授かる際、お寺様にお願いしご自身の”生前戒名”を授かることにより夫婦連名で作ることが可能になります。
お亡くなりになられた方の戒名は金文字で、生前戒名には朱文字で入れます。
このように、生前に作るお位牌を『逆修牌』といい、縁起が良く功徳も高いと言われています。
※生前にお位牌を作る場合、生前戒名を授かる必要がございます。生前戒名につきましては菩提寺様にてご相談ください。
位牌の種類と選ぶポイント
位牌には宗派による決まり事がないので、お祀りするお仏壇の大きさ、すでにお仏壇に祀られている位牌の大きさを基準にして、お好きなデザインのものを選ぶことができます。
デザインは、従来型のもののほかに、家具調仏壇にマッチするスタイリッシュな形のものなど様々なものがございます。
それぞれの種類のデザインの特徴をご説明いたしますので、位牌選びの参考にしてください。商品の写真は三善堂の通販サイトにもございます。
※位牌をお求めの方は『位牌を購入する前に事前に確認しておきたい4つのポイント』もあわせてご覧ください。

戦後一般的に流通してきたスタンダードな形の位牌です。従来型の中には「唐木位牌」と「塗り位牌」があります。唐木位牌は、木そのものの素材をいかし、木目が見えるように作られたものです。また、塗り位牌は桧・姫小松・シナ・ホウなど白い木に漆を塗り、金箔や金粉をほどこしたもののことです。
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台座が四角台のもの(左)が通常タイプ、蓮付のもの(右)は台に蓮の装飾が入ります。
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独特の前垂れと、下台の角を落としたデザインは古くから人気があります。
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札板の形も木瓜型と趣向が凝らされています。(右)また、台座下の部分に金を施すなどしたグレードの高いものもあります。(左)
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脚の形が特徴的な猫丸型。(左)台座部分には豪華な彫刻に金が施されています。
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従来型の形状を踏襲しながら、漆の上から蒔絵を施したものなど、雅な位牌も登場しています。

位牌の注文方法
戒名の漢字の間違いや命日の間違いなど、位牌に記載する内容に間違いがあっては困りますので、購入する場合は気を付けましょう。
インターネットなど通販での購入の場合、記載内容の確認を簡単にネット上やメールだけで行うお店も多くありますが、変換できない漢字が間違っていたり、梵字が違ったりとトラブルとなる場合もありますので注意が必要です。
なお、店頭にてお買い上げいただくお客様には販売員より詳細な説明と必要事項の確認を行わせていただきます。
過去帖について
過去帖は、ご家族の戒名・命日などを記し、ご家族の絆を後世に伝える大切なお道具です。多くは、折り本になっており、ページごとに日付が入っているので、命日の日付のページに記入します。そして命日にそのページを開いてお祈りします。お位牌がある場合には、系譜としてお仏壇に安置しておきます。
