春分の日・秋分の日を中日とした前後3日ずつを合わせた一週間を『お彼岸』と言います。
お彼岸には家族揃ってお墓参りに行く、というご家庭も多いのではないでしょうか?
特に、春のお彼岸は4月からはじまる新生活への”不安”や”期待”をご先祖様にご報告し、無事をお祈りするのも良いかもしれません。
それでは、今回はお彼岸のお墓参りの流れをご紹介いたします。
◆お寺様でのお彼岸『彼岸会』に参加しよう
お彼岸の期間、お寺様では『彼岸会』を営んでいます。
ここでは、読経やご法話などが行われていますので、お墓参りの折には彼岸会にも参加し、ご供養をお願いしてもらいましょう。
◆お彼岸のお墓参りはいつ行くか決まっているの?
お彼岸のお墓参りは、お彼岸の七日間であれば、いつでも構いません。
できれば、ご家族が揃ってお参りに行ける日を選ぶとよいでしょう。
◆お墓参りの必需品
お墓参りに行く際はお掃除用品・お供え物を用意しましょう。
大きな霊園などでは売店で販売していたり、管理事務所で借りたりもできますが、お彼岸の時期などは特に混み合うこともあり、持参するのが良いでしょう。
<お掃除関係>
掃除用のほうき、たわし、雑巾、バケツ、墓石に刻まれた部分を磨くブラシなど
<お供え関係>
念珠、マッチ、ロウソク、お線香、お供え用のお花、菓子・果物など、水桶とひしゃくなど
◆お墓参りの前にご本堂へ
お寺様にお墓がある場合は、『お供え物』程度は持っていき、まずはお寺様のご本尊様にお参りをすませてからご先祖様のお墓に向かうのが普通です。
お時間がない場合などでも、お寺様にご挨拶をしてから帰るなどの心配りは忘れないようにいたしましょう。
◆お墓参りのしかた
お墓参りには特別の作法はありません。
まずは、お墓のお掃除から始めることです。
線香の燃えカスや古い花を取り除き、墓石から墓地内へと掃除をしましょう。
また、汚れたり、コケのはえている墓石をタワシで洗いきれいにしましょう。
水鉢や花立を洗ったら、新しいお水を注ぎ、お花を飾り、お線香を立てます。
合掌礼拝のまえに、水桶からひしゃくで水をすくって墓石にかけます。
このとき、墓石の下のほうだけさりげなくお水をかける方もいますが、堂々と墓石の一番上からたっぷりとかけてください。
なぜなら、この水は餓鬼に施す水でもあるからです。水を飲もうとして口まで持っていくと、水は火に変わってしまい、なかなか水の飲めない餓鬼でもお墓にかけた水だけは存分に飲めるといわれています。
そうした餓鬼を憐れんで水を施し与えようということから墓石に水をかける習慣が始まったと考えられていますから、同じ施すのならたっぷり施したいものですよね。
故人と縁の深い順に墓石にお水をかけ、丁寧に礼拝をしてください。
※なお、真宗ではお彼岸として悟りに到るための修行はせず、日本古来からのこのお彼岸の行事を『悟りの世界(お浄土)へ到らしめてくださる如来様のお徳をたたえ、そのお心を聴聞させていただく仏縁』として大切にしています。
※また地方の習慣や宗派により、詳細が異なる場合がございますので、詳しくはお寺様または当店にお尋ねください。